発達障害者の加害防止に役立つ!「元刑事が見た発達障害」【レビュー】

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「何をすれば、おまわりさんに捕まるのか」を知る本です。

それは発達障害のある人が罪を犯しやすいわけではなく、「何をすればおまわりさんに捕まるのか」を知っておけば、かえって自由にのびのびと生きられるからです。

元刑事が見た発達障害/まえがき編集者・浅見淳子
元刑事が見た発達障害/著・榎本澄雄
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元刑事が見た発達障害/著・榎本澄雄

元刑事が見た発達障害/著・榎本澄雄

著者(元警察庁警察官)が、刑事課知能犯捜査係主任刑事として発達障害のある被疑者と向き合った経験を踏まえ、社会の仕組みを語った本。発達障害のある人が、社会で自由に生きるために知っておく必要のある本

本がオススメの人!

  • 発達障害のある子(人)の行動に悩んでいる親・支援者
  • 触法行為の発達障害者を支援している人

本で学べること!

  • なぜ職務質問されるのか?
  • 犯罪になるときとならないときの違いを知っておこう
  • 被害も加害も避けたい 性犯罪について
  • 他人の正義とどう折り合うか 名誉棄損・業務妨害
  • 他人のものを盗んではいけない 窃盗について

本を読んで思ったこと

編集者の浅見さんが本の中で「この刑事さんはなんと自閉症圏の人とのコミュニケーションが上手なのだろう」と感心したという文面で、著者の人物像が見えた気がしました。

支援者であっても自閉症圏の人とのコミュニケーションは難しい。なので、穏やかで落ち着いた雰囲気のある人物、そして丁寧な聞き取りを想像できました。

発達障害のある人が、被害者にも加害者にもならないための本。

出版された経緯を語る文面にも、これまでと違った学びが得られることを期待しました。そもそも取り調べという密室について、私たちは情報を得ることができません。

発達障害のある人の調書に関わった元刑事の経験を知ることは、これまで得られなかった情報を知り、犯罪予防の手がかりが得られます。親や支援者にとっては有難いことです。

人たらしが取る自白調書

本で、一番得られたのは、自白調書が取られる時の様子が明確になったこと。えん罪を生んでしまう経緯も理解できたことです。

職務遂行のためにも先輩刑事からは「人たらしになれ」と教えられていました。よき刑事になるためには、人たらしになれ、と。

元刑事が見た発達障害/著者・榎本澄雄

よき刑事ほど「人たらし」だ、というのです。

確かに、警察官に密着したTV取材番組で、ろれつの回らない酔っ払いを相手に寄り添う姿、刑事ドラマの定番のかつ丼などは、人情味あふれる警察官という職業が描かれています。

でもこれらが、職務遂行のための手法だった、と知ると、また違った感想を持ちませんか?

本を読んで「人たらしな刑事」という角度から職業を見るようになりました。大勢の心理を突かないと事件解決には向かわないのですから、犯罪を犯した人と向き合う職業ならではだとは思うのですが。

ただ同時に、やってもいないことをやったと言わされてしまう、えん罪の側面もあるのではないか、と。

知的障害、発達障害のある人が、取り調べを受ける立場になった時の怖さを親や支援者は知っておく必要があります。うちの子には関係ないとは思わずに、ぜひ読んで欲しい本です。

アンバランスな子(人)ほど、権威は全く通じない

発達障害のある人(子)への観察について、刑事課知能犯捜査係主任刑事をしていた著者ならではの観察眼なのだな、と思えた部分がありました。

引用します。

知的に障害のある子は自分の体調不良などのイライラをぶつけることがありますね。だから、そういう様子を察したら先に優しく接するようにしています。もともと心理的なエネルギーが少ない状態なのだから、心理的なエネルギーを奪わない、奪われない状態を作り、そしてエネルギーを与えてあげるように心掛けています。

元刑事が見た発達障害/著者・榎本澄雄

権威で相対するより好意で相対する、という著者の榎本さんの言葉。「アンバランスであればあるほど権威は全く通じない」というのです。そして好意で相対すると関係性が築け、話を聞いてくれるようになる、と。ここが、ポイントだと思います。

本では、警察が何を守っているのか?というところもたくさん書かれていて、発達障害のある子(人)への教育について社会の観点からも見直す必要があると思いました。

-補足-

思春期以降の発達障害のある子(人)の親御さんからの相談は、この本にある項目にドンピシャだったので、ぜひ参考にされて下さい。

  • なぜ職務質問されるのか?
  • 犯罪になるときとならないときの違いを知っておこう
  • 被害も加害も避けたい 性犯罪について
  • 他人の正義とどう折り合うか 名誉棄損・業務妨害
  • 他人のものを盗んではいけない 窃盗について

名誉棄損

例えば、SNSなどのネットでの名誉棄損について知っておくと避けられます。その為に何をすれば良いのか?を試行錯誤できます。

個人的な意見ですが、名誉棄損を犯す側の潜在化している犯行動機には、自分の存在理由、痛みや苦しみが、世の中や自分以外の誰かに理解されないことへの恨みつらみがあると思います。

元刑事が見た発達障害/著者・榎本澄雄

なぜ他人のものを盗んではいけないか?

実は、犯罪の入口としてマークされているのが窃盗だということです。窃盗を防ぐことが他の事件を防ぐことになると知って下さい。

犯罪の入口としてマークされているのが窃盗窃盗を防ぐことが他の事件を防ぐことになる

窃盗は財産に対する罪。財産は個人の生存、社会的活動の基盤です。生存の基盤を奪う行為だから許されない。

元刑事が見た発達障害/著者・榎本澄雄

事件に巻き込まれない為にも教育、福祉、家庭教育で取り組んで欲しい内容です。

元刑事が見た発達障害/著・榎本澄雄

著者(元警察庁警察官)が、刑事課知能犯捜査係主任刑事として発達障害のある被疑者と向き合った経験を踏まえ、社会の仕組みを語った本。発達障害のある人が、社会で自由に生きるために知っておく必要のある本