【成人してやってみた】知的障害のある人の金銭管理支援

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娘が卒業した特別支援学校では、おこずかい管理の時間がありました。でも、残念ながら生活で活かされることはありませんでした。

そこで親子で挑戦!

「知的障害のある人もお金のやりくりができますか?」と聞かれたら、YES!!

この記事は、成人してからやってみた!知的障害のある人の金銭管理として、親子で5年間、お金管理に取り組んできた内容を皆さんにお伝えしたいと思います。

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お財布管理が9割!

我が家の取り組みは、お財布の中の小銭管理9割でスタートしました。働く知的障害のある人が、お財布の中を確認することは、お金管理の第一歩です。

では、我が家のエピソードから、つまづきポイントを見てみましょう。

お財布の小銭使えてますか?

「お金を使えていない?」

そう思ったのは、ジャラジャラと小銭だけがお財布を圧迫していたから。

小銭を上手に使えるようになってほしい

我が家のお金のやりくりの出発点です。そこで、最初に取り組んだのが娘への聞き取りです。すると、財布を圧迫するほどの大量小銭の原因が分かりました。

大量小銭の原因

■大量小銭の原因

  1. バス利用が現金支払いだったこと
  2. 販売機で飲み物を買う・コンビニでの買い物などの行動

聞き取りをして、はっとしました。

特別支援学校時代はバス券を利用(20211年頃~)。

高校3年間は寄宿舎生活だったため、現金を使う体験がほぼ無かったのです。

お金を上手く使う体験が少なかった事実が見えました。また、娘の困り感もこの時にハッキリ分かりました。その後、2つを解決し現在も継続中です。

大量小銭⇒解決

【解決】

  1. 通勤はICカードへ変更(オキカ
  2. コンビニでの買い物⇒ポイントを利用する・販売機での飲み物は(なるべく)買わない。

※2018年からプリペイドカードやキャッシュレス決済(金額上限確認)を利用

おさるくん
おさるくん

オキカは、ポイントが貯まるのでお得ですよ~!!


お金の使い方と情緒は紐づけされている

娘のつまづきポイントに気付けたのは、曜日、時間帯、体調などが、支出に関係していたことです。

レシートを調べてみると、明らかに疲れている時食事に制限のかかっていない時の出費が多い。

これにより、お金の使い方と情緒は紐づけされていることを確認しました。

また、栗本啓司さんの本「自閉っ子の心身をラクにしよう!に出会ったのも大きなキッカケの1つに。身体アプローチや糖質制限などの食事管理を同時進行で開始。お金の使い方と情緒の整え方の両方とも一気に上手くなりました。

完璧を目指すのではなく模索する。今も、どんどん上手になっていますよ♪

お金のやりくり5年間でわかったこと

我が家で5年間でやってみたお金管理で分かったことは、お金管理をする上での条件が2つあったことです。

1つ目は、お財布管理に絞る。
2つ目は、情緒安定です。

本人管理は、確実性がないうちに全て任せてしまうと痛い目に遭います(←これは避けたい)どの程度の失敗までを許容範囲にするか?ご家庭によって違うので、ぜひ決めておいて下さい。

お金のやりくり条件
  • お財布管理に絞る。
  • 情緒安定。

金銭管理、始めてますか~?

さて、我が家で試した金銭管理です。完璧な方法をマスターするよりも、収入と支出、残金を確認するだけで上手くことを学びました。知的障害のある人には、本人にマッチする方法を見つけることが大事なのかもしれません。

ポピュラーな袋分けは予想外の展開に!

「袋分けとレシートを貼るだけの家計簿」は、一番ポピュラーな方法なので一緒にやってみました。しかし、本人に任せてみると別の用途に使うお金も使ってしまうという事態に!!(涙)どうやら、その辺の知恵は働くようです(汗)

ああ!管理が苦手なんだな~と理解できました。

【袋分けの感想】消費者庁も、特別支援学校でも袋分けを推進していますよね。しかし、袋を分けたところで残念ながらやりくり(管理)までには到達せずリタイヤ。本人任せにすると最悪な結果になりかねませんので要注意。

レシート貼るだけ家計簿で関係悪化

「レシート貼るだけ家計簿」

毎日、レシートを貼りつけながら取り組んでみました。しかし、上手くいきませんでした(涙)レシートチェックが関係悪化。お金を使いすぎないようにチェックしていたので、本人からすれば監視されていると感じたようです。

スケジュール帳に収支、残金を書くがBESTだった娘

お金管理を始めて3年が経過。

何に気をつければ上手くいくか?を意識した結果、レシート貼りを辞めました

いくらもらったか?(収入)使ったのか?(支出)残ったお金は?(残金)を娘が理解することだけに集中。

結果、これが一番お互いに負担が少なく管理しやすいことが判明しました。そして本人に手帳をつけてもらうこともお忘れなく。最初は一日分だけの管理から始まり、現在は一ヶ月分の管理を継続中です。

  1. 収入ー固定費等ー貯金=小口現金(一ヶ月分を算出)←お財布管理のみ
  2. 一日分を毎日現金でやり取り。(慣れると一週間、一ヶ月と管理できます)
  3. 月末には、支出を科目ごとに確認(これはきっちりしなくて大丈夫です。目安がわかれば)

※その時に使いすぎたお金をどこから補填するのかも決めます。
一年間の計画が見えると毎日の負担もなく、やれるようになりました。

ここで大事なのは、うるさく言わないことです。失敗しても次の一週間で補填しながら計画を仕切り直します。最初は上手くいかなくても徐々に使えるようになってゆきますよ♪

親子関係悪化を防ぐために、毎月の収入・支出をどう管理するのか?を話し合う

お金管理の前に、ぜひ取り組んでほしい事があります。それは、給料(や年金)、毎月のスマホ代などの収入と支出をどう管理するのか?を話し合う事です。

ここを曖昧にしたままだと、親子関係は最悪な状況になりかねません。知的障害があってもお金に関してはわりと情報を得て知ってますよ。

知的障害のある人とは、時間をかけて話し合うことが消費トラブルを防ぐ第一歩です。できるところからぜひ始めて下さい。

おさるくん
おさるくん

特別支援学校でもオススメしていた社会生活ガイド集。お金のトラブル事例が載っててオススメですよー!卒業後、とても役立ってます。


まとめ

では、まとめです。

  • 毎月の収入・支出をどう管理するのか?を話し合う
  • 財布管理が9割!⇒収入ー固定費ー貯金=残金(お財布管理)
  • スケジュール帳に収支、残金を書くがBEST⇒本人が書く
  • お金の使い方と情緒は紐づけされている

知的障害のある人のお金管理は日常生活範囲に限るが9割です。

ここが上手くいかないと混乱するだけで、親子関係の悪化や消費トラブルにつながります。本人に任せる時は慎重に。

お金は計画を立てて使う

我が家では、計画を立てて使うことを実践しています。もちろん、最初は全く上手くいきませんでした。でも、失敗を繰り返しながら、気付けばできるようになっています。声掛け、意識づけは必要ですね。