知的障害のある娘と二人三脚でお金のやりくりに挑戦!!
娘が卒業した寄宿舎併設の特別支援学校では、高校三年間おこずかい管理の教育がありました。
でも、残念ながらその実践が活かされることはなく…涙
結論からいえば「知的障害のある人もお金のやりくりができますか?」と聞かれたら、私の答えは「YES!!」です。ただ前提になっている条件があります。
それは、知的障害のある人のお金管理は日常生活の範囲に限るです。
この記事では、お金のやりくりをやってみたトライ(挑戦)編として、親子で5年間、日々お金管理に取り組んできた内容を皆さんにお伝えしたいと思います。
毎月の収入をどう管理するのかを本人と話し合う
成人前にぜひ取り組んでほしい事があります。それは、給料(や年金)はどう管理するのかを本人としっかり話し合う事です。
ここを曖昧にしたままだと親子関係は最悪な状況になりかねません。(我が家は話し合ったので最悪の状況を回避しています)
知的障害のある人とは、時間をかけて話し合うことが消費トラブルを防ぐ第一歩です。お金に関することを避けてしまうご家庭もあると思いますが、できるところからぜひ始めて下さい。

特別支援学校でもオススメしていた社会生活ガイド集。お金のトラブル事例が載っててオススメですよー!卒業後、とても役立ってます。
財布の小銭管理が9割!
「お金を使えていない??」
そう思ったのは、ジャラジャラと小銭だけがお財布を圧迫していたから。小銭を上手に使えるようになってほしい。我が家のお金のやりくりの出発点です。なので、最初に取り組んだのはお財布の中の小銭。
娘に聞き取りしながら、以下のようなことが分かりました。
【小銭大量の原因】
- 療育手帳を利用したバス通勤だったこと
- 販売機で飲み物を買う・コンビニでの買い物などの行動
【解決】
- 通勤はICカードへ変更(オキカ)
- コンビニ⇒ポイント制を利用する・販売機での飲み物は(なるべく)買わない。
※2018年からプリペイドカードやキャッシュレス決済を利用
特別支援学校時代は、バス券を利用していたことを思い出しました。小銭を全く使えないわけではなかったので卒業後はなんとなくそのままに。
でも、娘からの聞き取りをしてみると娘の困り感がハッキリ分かりました。結果、小銭ジャラジャラは一応解決。(補足・小銭ジャラジャラな日も不規則に発生アリ)
我が家の取り組みは、財布の中の小銭管理9割。給与などの収入やスマホ代、病院代などの支出管理は1割の同時進行でスタートしました。
収支金管理とお金のやりくり5年間でわかったこと
我が家で5年間でやってみたお金管理で分かったことは、前提になっている条件が2つあったことです。
1つ目は、小口管理に絞る。
2つ目は情緒安定です。
- 小口管理に絞る。
- 情緒安定。
本人管理は、確実性がないうちに全て任せてしまうと痛い目に遭います(←これは避けたい)どの程度の失敗までを許容範囲にするか?ご家庭によって違うので、ぜひ決めておいて下さい。
ポピュラーな袋分けは予想外の展開に!

「袋分けとレシートを貼るだけの家計簿」は、一番ポピュラーな方法なのでやってみました。しかし、別の用途に使うお金も使ってしまうという事態に!!(涙)どうやら、その辺の知恵は働くようです(汗)
ああ!管理が苦手なんだな~と理解できました。
【袋分けの感想】消費者庁も、特別支援学校でも袋分けを推進していますよね。しかし、実感としては、やりくりまでにはいきません。もう少し、具体的に教えて欲しいと思いました。
毎日管理・現金出納帳方式のレシート貼る家計簿は思春期・成人期では関係悪化

「現金出納帳方式のレシート貼る家計簿」。
会社会計小口は、毎月決まった金額が計上されます。(当月)残金+(当月)支出分が補充され、翌月の計上は、毎月同額になるような仕組みです。
この方法で試してみることに!
毎日、レシートを貼りつけながら取り組んでみました。しかし、問題だったのはレシートチェック。お金を使いすぎないようにチェックしていたので、本人からすれば監視されていると感じたようですね。上手くいきませんでした(涙)
スケジュール帳に収支、残金を書くがBEST

お金管理を始めて3年が経過。何に気をつければ上手くいくか?を意識した結果、レシート貼りを辞めました。
いくらもらったか?(収入)使ったのか?(支出)残ったお金は?(残金)を娘が理解することだけに意識を集中。
結果、これが一番お互いに負担が少なく管理しやすいことが判明。最初は一日分だけの管理から始まり、現在は一週間分の管理を継続中です。
- 収入ー固定費等ー貯金=小口現金(一ヶ月分を算出)
- 一日分を毎日現金でやり取り。
- 月末には、支出を科目ごとに確認
※その時に使いすぎたお金をどこから補填するのかも決めます。
一年間の計画が見えると毎日の負担もなく、やれるようになりました。
ここで大事なのは、うるさく言わないことですね。失敗しても次の一週間で補填しながら計画を仕切り直します。最初は上手くいかなくても徐々に使えるようになってゆきますよ♪
お金の使い方と情緒は紐づけされている
特別支援教育のスローガン「支援はスモールステップで」を、意識しながら進めたお金のやりくり(お金管理)。しかし、娘にビンゴな方法は見つからず…(涙)
お金を使いすぎる時はどういう時か?を調べてみると、明らかに疲れている時、食事に制限のかかっていない時に出費も多いことが分ってきました。
これにより、お金の使い方と情緒は紐づけされていることを確認。
また、栗本啓司さんの本「自閉っ子の心身をラクにしよう!」に出会ったのも大きなキッカケになったと思います。身体アプローチや糖質制限(いきなりの制限は難しいので徐々に減らす方法で)などの食事管理を同時進行で始めました。
正直、くじけそうな日々でしたが、取り組みを始めて5年。軽度知的障害・ASD傾向の娘もお金の使い方と情緒の整え方の両方とも上手くなりました。完璧を目指すのではなく模索する。今も試行錯誤の日々ですがどんどん上手になっていますよ♪
- 小銭を出さないように使えます。(不規則ですが小銭ジャラジャラ発生日もアリ)
- Tカード、dカード、ポイントを活用して買い物ができます。
- メルカリを利用しています。(←これは、利益を出せてます。)
まだまだ、いろいろ挑戦中ですが、良い流れが出来ていますよ~!

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