
完璧な脳を持って生まれてくる人もいなければ、完璧な家庭に生まれてくる人もいません。
自分の抱える「愛着の不全感」に決着をつけ、自分らしさを発見し、磨き、苦しみの連鎖を断ち切ることです。
愛着障害は治りますか?/まえがきより
完璧な脳、完璧な家庭に生まれてくる人はいなかった。そのことに気付けたら、世界は広がりませんか?
愛着障害は治りますか?
愛着障害は治りますか? 愛甲修子/著
著者は、スクールカウンセラー、児童相談所、知的障害者更生施設など、教育、福祉、医療の現場で働いてきた臨床心理士。精神科医神田橋條治氏と日本臨床心理士会会長村瀬嘉代子氏に師事。
他に「脳みそラクラクセラピー(花風社)」『アニメに学ぶ心理学―「千と千尋の神隠し」を読む(言視舎)』「知的障害は治りますか?(花風社)」などがある。
本で学べること!
- 現れる症状で課題に気付ける(愛着障害を知る)
- 愛着障害は誰のせいでもない
- セルフケアでいつからでも治せる
【愛着が示す症状】 - 自己完結型症状
- 抑うつ症状、不安障害、適応障害、神経症、選択性緘黙、依存症、摂食障害、解離、リストカットなど
- 行動化
- 家庭内暴力、DV,反社会的行為など
本で愛着障害を治す
- 大人の愛着障害を治してほしいわけ
- 愛着障害と発達障害の区別
- 「胎児期生の愛着障害」という考え方がシンプルな乗り越え方に導く
- 「思春期のもがき」は自己治療である
- 対象に支配されなくなると治療は完成する
- どのような治療法があるか?
- フォーカンシング
- 内観法
- 子どもの場合は「遊び」が有効
- 愛着障害を治すための芋づるの端っこ①~⑮
- 現代ではなぜ愛着障害が問題になるのか?
言葉以前のアプローチ(金魚体操、整体)をやってみた
金魚体操は、発達を促す身体アプローチだと学び、居心地さを求め就寝前、布団に入ってから続けてきました。すると眠りが深くなり、睡眠の質を担保できるように。
「胎児期の恐怖麻痺反射の統合」は、背面をゆるめる方法が有効と知り、整体へも通ってみました。娘は心地よくて寝てしまいます(笑)
内観法をやってみた
私自身が内観法と同じ効果を日々、知らないうちにやっていました。「あぁ、そういうことなのね」と改めて確認。
- していただいたこと
- して返したこと
- 迷惑をかけたこと
三つの観点で小学校低学年から年代順に具体的なエピソードを思い出し、自分自身のことや身の回りの身近な人々との関係をありのままに見直すことで、「どんな境遇になっても喜んで生きられる精神状態を身につける」こと。つまり、どのような境遇になってもワクワク生きられる状態を会得ひ、環境や条件に左右されない幸せを手に入れることを目的とするものです。
愛着障害は治りますか?P126
愛甲さん曰く、力のある人は、自然にそういう記憶が蘇るんだそうです。意識的に後付けるのが内観法というものらしいです。
本がオススメの人!
- 子育てに悩んでいる親御さん
- 支援者
- 生きづらさを抱えるすべての人
本を読んで思ったこと
臨床心理士愛甲修子さんの愛着障害は治りますか?は、2016年に花風社から出版されました。タイトルには当初ピンッとこなかったものの、読み始めたら初っ端からドカンっと引き込まれました。
完璧な脳を持って生まれてくる人もいなければ、完璧な家庭に生まれてくる人もいません。
私は、冒頭のこのフレーズが好きです。そうなんです。完璧じゃないんです。だから、そういうことを先ず知って、「対処していきましょう!」と呼びかけています。
この本を読んで、発達障害と愛着障害の区別、そして治すためには、どの段階で背負ったものなのか?をたどることが有効だということを詳細に、事例を交えて教えてもらったと思います。
特定の他者によって愛着障害が治る?
他者によって愛着障害が治ることもあるようなんです。これは、愛甲修子さんと浅見さんとの対話の流れで出てきます。例えば、夫婦や恋人の関係性で治ってゆくこともあるのだとか。
実際、付き合う人を変えると自分が変わった、と感じる人は多いのではないでしょうか。
誰と出会うか、出会わないか?
例えば、脚本家・野木亜紀子さんのドラマ「MIU404」では、ルーブ・ゴールドバーグ・マシン の話がそうです。「誰と出会うか、出会わないか、人の出会いやタイミングが、分岐点(スイッチ)になる」という視点でドラマが作られたのだそう。
特に第3話では、遊びの延長からいくつものタイミングが重なって犯罪に巻き込まれ、日常に戻れなくなった高校生が描かれていました。
殺人事件の記録を読んだり、新聞記者の人から話を聴く中で、誰かが殺人を犯すときというのは、本当にいくつものタイミングが重なって、どこかで止められたはずなのにそうならず、わずかな確率で実行されてしまうのだということを聞きました。それと、元機捜隊員の方が言っていた「犯罪者と俺達はなんにも変わりませんよ」というのが印象深くて。
脚本家・野木亜紀子を直撃!「MIU404」の物語ができるまで<「MIU404」インタビュー前編より抜粋
一方で、人生を善き方向へ善き方向へ変わっていった経験のある人々もいるでしょう。それは善き出会い、縁に恵まれた人の中で生きている証なのだと私は思います。
誰と出会うか、出会わないか、人の出会いやタイミングが、分岐点(スイッチ)になる
ぜひ、読んでみて下さいね。