【性教育】知的障害のある人の性教育は、結婚生活をイメージさせる

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知的障害のある人の思春期、成人期の性についての困りごと。戸惑っている親御さんの中には深刻なケースもみられます。一体どうやって本人のプライバシーを守りつつ、理解を深めていけばいいのでしょうか?

この記事は、知的障害のある思春期、成人期の性教育について、徳永桂子先生(思春期保健相談士)の沖縄での性教育講話会(2021/10月)をベースにお伝えします。

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思春期・成人期こそ恋愛・人間関係の学びの場が必要

思春期、成人期の性に関する相談は、犯罪につながりやすい面もあり、親や支援者の学びの底上げが必須です。では、どのようにアプローチすればいいのでしょうか?

婚カツ支援をすれば、就労も性教育も上手くいく

講師の徳永先生は「思春期、成人期の性教育は、結婚生活をイメージすると、就労も性教育も生活も紐づけされてゆく」と話しています。

性を刺激された人たちへどうアプローチする?

性を刺激されるとは、障害のある人の恋愛観、人間関係のことを意味します。性を刺激されると障害のある当事者たちの性行動は、衝動的な行動になりやすいようです。

それらをコントロールするには、遠回りでも人間関係を学ぶしかありません。

徳永先生が、婚カツ支援に結び付いたきっかけを、セクシュアリティという本の中で触れていますので引用します。

事業所の利用者さんのカップルがめでたく結婚をしたお祝いムードの中で、刺激されて保護者に内緒で結婚相談所へ登録した人、付き合う事を急ぐ人たち、ストーカー行為が心配される人たちが次々に現れました。

また、メディア情報をモデルとして、交際の中でデートDVの心配のあるカップルもみられます。

こころと身体の学習は積み上げてきたけれど、特に、恋愛・人間関係をテーマに参加型の学びの場を持ちたいとの理事長からの依頼でした。

更に、我が子のこうした変化を問題行動ととらえて大きな不安を感じたり、否定的な関りをしてしまいがちな保護者にも学びのチャンスにできる時間にしたいということでした。

セクシュアリティ2019/4月増刊P60より

依頼を受け、取り組んだのが当事者向けワークショップです。(セクシャリティという本に内容が掲載されていますので、ぜひ活用ください。)

セクシュアリティー

参加型学びの場は、知的障害のある人にとって経験値を上げるチャンスです。

我が子の行動を問題行動と捉え、行動を制限するのか?それともチャンスと捉えて、学びの場を作るのか?

ここには、大きな分岐点があります。

問題行動へのアプローチがイメージしやすい講話会だった

配布資料
2021/10/30配布資料

2021/10/30:朝9時半に開始した講話会は、保護者から事前に募った性に関する質問に答える形で始まりました。

異性に絡んだSNS課金キャバクラ風俗など、成人へのアドバイスや、思春期のプライベートな場所の区別伝え方など、保護者がイメージしやすい言葉で、情報と知識の底上げができました。

また、攻撃的な子の心理については、その子の行動だけに注目するのではなく、背景にあるものを見逃さないことが、我が子の行動に隠された心理を掴むヒントになることも学びました。

使える!!徳永先生の性教育本

性教育は一律同じではなく、個々の心理に反映されるような学びを提供するのが近道です。ぜひ、ご利用下さい。

徳永桂子先生の性教育の本です。ぜひチェックください~!!

琉球新報「ココロ・カラダつながり」リンク集

徳永桂子先生の琉球新報連載記事をご紹介します。子ども達の質問にQ&A式で分かりやすいです。

記事は今(2023/3月)も読めますので、チェックしてくださいね~!

まとめ

思春期・成人期の困りごとにどう対処するか?を振り返ります。

  • 結婚生活をイメージすると、就労も性教育も生活も紐づけされてゆく(セクシュアリティ参照)
  • 行動だけに注目するのではなく、背景にあるものを見逃さない
  • 知的障害のある人への支援は、当事者にリンク(自分事に)させて、具体的に教える

親の会のなかまワークショップ2018,2019年

親の会で企画したなかまワークショップは、問題行動をチャンスと捉えてほしいという意味を込め、2018年、2019年に積極的に開催しました。徳永先生の実践的な内容、婚カツ支援と共通点があり、共感しました。

知的障害のある人たちのアプローチは、生活の心理的なところから紐づけると、就労も性教育も生活も取り組めます。思春期、成人期の学びの場が増えてゆくといいですね。