ASDっ子の発火する怒りの7割はフラッシュバック？

発達障害のある人の中には突然、火がついたように怒り出す、暴言を吐く、暴力の出る人もいます。繰り返すその怒りに、悩み、戸惑う親御さんは少なくありません。

今日は、家族だからこそ知っておきたい、怒りについて考えます。

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突然キレる、はフラッシュバック
フラッシュバックがあると、人生を楽しめなくなる？
キレた時に何をさせるか？の代替え的な活動
言語化できるようになるとフラッシュバック治療は完了する

突然キレる、はフラッシュバック

突然キレる、といったその怒りは、自分ではどうすることも出来ない状態。ASDっ子の突然キレる状態については、親の会でもよくある相談です。

では、どうしてこうなってしまうのか？

『発達障害は治りますか？（/著・神田橋條治）』では、それはフラッシュバックだ、といっています。引用します。

ただ、現実に怒りの閾値が低く見える人をよく見ると七割くらいまではフラッシュバックなんです。

フラッシュバックだと、今の刺激に類似した過去の刺激が芋づる式によみがえってくるんです。
発達障害は治りますか？/著・神田橋條治P103

フラッシュバックと突然キレるという状態とを結びつけて、これまでイメージすることがありませんでした。

でも、ASDっ子が昔の出来事を昨日のことのように話すことを親御さんは知っているはず。そう、記憶についての不思議さは、ASDっ子あるあるなのですよね。

なので、過去の記憶とリンクして発火する怒りになるのはあるかも…と思えました。ただ、そうだとしたら、ASDっ子の抱える苦しさは想像を超えてます。

なぜなら、フラッシュバックは、自分ではどうすることもできない状態なのですから。

フラッシュバックがあると、人生を楽しめなくなる？

フラッシュバックとはいえ、突然キレだして日常生活に支障が出始めると周囲も疲弊します。これでは、ASDっ子は元より家族も人生を楽しむことができなくなります。それは、いつ、どこで、どんな時に起きるのか予測できないからです。

フラッシュバックというのは、「今の刺激に類似した過去の刺激が芋づる式によみがえって噴出するもの」だ、と本にはあるのです。自分でコントロールできない状態なのです。

そうなると、ほとんどの場合は精神科や心療内科を頼ることになり、薬を処方され様子をみることになります。ただ、どんなに時間を費やしても症状の改善がみられることがない。それどころか、ある時期からキレることが多くなり、薬の量も増え、更に困難が増したという話しは、これまでもよく聞かれてきたことです。

これでは、フラッシュバックの怒りに振り回された人生を生きてゆくことになります。

フラッシュバックをコントロールすれば、怒りが減らせる

本の中で、神田橋先生はそういっています。

キレた時に何をさせるか？の代替え的な活動

突然キレる怒りは、フラッシュバック治療で良くなると神田橋先生はいっています。やはり目指すのは、フラッシュバックの治療らしい。

キレた時に何をやるか？させるか？が、代替え的な活動です。

藤：私も怒ると感情よりも先に手が出ててしまう時期がありました。そのときパンチングのおもちゃを買って、ふだんから一時間はこれをすると決めて、余分な体力は残さないようにしていました。

先生：刺激に対して怒りは起こっても、殴るということをしょっちゅうやっていると、殴らなくなります。
発達障害は治りますか？/著・神田橋條治P105

また、普段からボーリングやボクシング、蹴る子にはサッカーなど用意しておくことで、フラッシュバックの頻度が減るようです。

以前、あるカウンセリングの場で、患者と一緒にゲーム（シューティングゲーム）をしていた…という話しを聞いたことがあります。あれもよーく考えてみるとフラッシュバック治療だったのかも？と、振り返って思います。