
2018年度は、一般就労した軽度知的障がいのある人のワークショップを開催しました。
就労した沖縄高等特別支援学校卒業生の日程調整が難しく、平日の19:00-20:30という時間を設定して開催しました。(スーパーなどのサービス業に勤めている卒業生が多く土日祝は難しい)
2018年度に開催した4回を振返ってみましたのでご覧ください。

平成30年沖縄県まちづくり賞奨励賞を受賞した新聞記事です。こちらもどうぞ~!
なかまワークショップ2018
親の会で、軽度知的障害のある当事者への取り組みは3度目になります。過去2回は沖縄高等特別支援学校在学生を対象とした、地域(自治体)居場所作りと寄宿舎アロマワーク。そして2018年は、一般就労した卒業生を中心とした参加型学びの場を開催しました。
- 2011.12年⇒地域(自治体)への居場所作り
- 2013年⇒寄宿舎でのアロマワーク
- 2018⇒一般就労した卒業生を中心とした参加型学びの場
2018年度当事者ワークショップは年4回で、教育・福祉・余暇・医療とそれぞれの現場で日々、奮闘中の講師陣に協力して頂きました。
キャリア教育の視点から親子で共有ワーク
第1回は教育分野から、キャリア教育の新垣道代さんのワーク。思春期・成人期の親子ワークで、親子共に同じ空間で気恥ずかしさもありましたが、普段とは違ったアプローチで終了後は皆さん、清々しい顔つきに。
また、初めて参加した子どもの不登校で悩む親御さんからは、「心が軽くなった」との感想を頂きました。
モチベーションが上がる!意欲って大事ですよね。


軽度知的障がいのある人の一人暮らしの支援を知る




第2回は福祉分野から、ヘルパーステーションこううんサービス管理提供者の金嶺ひとみさんのワーク。こちらは保護者向けで開催しました。一人暮らしを想定した時、頼りになるのがヘルパー(居宅介護支援)さんの存在です。
そもそもヘルパー支援といっても、生活の全てをお願いできるわけではありません。そして福祉サービス制度の知識は、制度が変わるたびにアップデートをしなければ使えません。
基本的な流れや具体的な事例を用いてお話して頂きました。参加者からは、「現場の話が聞けて一人暮らし実現へ一歩近づけた」との感想頂きました。
また、第2回の当事者ワーク教室では音楽ワークを開催。テーマからイメージした言葉をつなぎ合わせて1つの曲が出来ました。タイトルは「夏のうた」。
参加者は、夏の風景からイメージしたキーワードを黄色い付箋に書いて、ホワイトボードに貼られた模造紙に、どんどんは貼りつけてゆきました。「甲子園」「熱い」「夏の恋」など様々。
その言葉をまとめ、素敵な夏の歌に仕上がりました。そして講師の嘉陽田さんが即興で歌い始めると、参加者たちは、歌詞の節々に使われている自分の言葉を照れくさそうに聞いていました(笑)
一般就労した軽度知的障がいのある人に必要な余暇活動



第3回は、沖縄県で障害児者のスポーツ支援を運営している琉球スポーツサポートの手登根さんの余暇ワーク。
一般就労した卒業生たちは、元教え子でもある為(元教師です)、とても和やかな雰囲気で親御さんも一緒に学びました。


余暇は一日4~6時間程度といわれているという話しに、全員、えーーーっ!と驚いていました(笑)なんとなく使っている日々の時間。大事に使いたいですね~。
軽度知的障がいのある人のメンタルをサポートする訪問看護を知る




第4回は医療分野から、訪問看護ステーションカルペ・ディエムの嘉数長雄さんのワーク。保護者向けで開催しました。思春期・成人期は、医療的なメンタルサポートが必要なこともあります。
訪問看護=高齢者支援とイメージしがちですが、実際の支援対象者は幅広く、軽度知的障害、ASDの人たちの支援を行っていることを学びました。
グループワークで質問を取り上げてもらい、実際に支援に入っている方の事例を通しながら、具体的な支援内容について学びました。
参加者からは「もっといろんな話を聞きたいので、またやって欲しい」との要望も上がっていました。メンタル面については、私たち親にとって思春期以降の大きな課題ですよね~。
そして当事者ワークは、音楽ワークを開催しました。テーマは「冬」。参加者から上がってきた冬のキーワードをホワイトボードに書き込んで1つの曲に仕上げました。
テーマからイメージをつかむこと、言葉にすること、そして客観的に自分の言葉が歌になるというステップを踏むことは、実生活では、なかなか体験できない事だと思います。
このワークを通じて思ったのは、一般就労後も何かをみんなで出し合って共有する時間は必要だなということでした。そしてやってみると意外といろんな気付きが得られました。
ワークを通じ、親も子も共有時間を経て、お互い様な気持ちを育むのだな~と思いました。本当に楽しかったです。平日のお仕事終了後、初対面同士にもかかわらず皆さんお疲れさまでした。
軽度知的障がいのある人の就労後のモチベーションを高める機会を!
企画の段階では、親子参加が基本でしたが、親と子が一緒に参加するワークというのは、一般就労すると、とても難しいのだな、ということが分かりました。それでも回を重ねるごとに、参加希望する人数に合わせ臨機応変に対応し、試行錯誤しながら進められたことは、私たち企画側にとっても大きな気付きになりました。

そして、このような学びの場は必要であることを多くの自治体に知ってもらい、始められるところから取り組んでいってほしいと願っています。
また、沖縄県の一般就労先でも、このような学びの場を地域福祉と連携して取り組みができる事を願っています。
ぜひよろしくお願いします。

厚労省から公表(2021年6月)された障害者雇用と福祉の連携課題について知って下さいねー!