これまで、発達障害を「脳機能障害」と捉え、子どもを育てる発想がストップした方が多かったのではないでしょうか?専門家が使う「発達障害=脳機能障害」は、子を育む力を削いできましたよね?
この記事は、DMS-5に沿って知的障害、発達障害のある子をどう育むのか?というテーマで考えてみました。
発達障害は「脳機能障害」と捉えると育む可能性を見失う
発達障害と診断されると、「発達障害=脳機能障害」という捉え方になるご家庭がほとんどです。でも、それは、医師や専門家からそう伝えられてきたからですよね?
しかし、2013年5月にアメリカ精神医学会の診断基準DSMがDSMⅣ⇒DSM-5に改訂され、2019年5月、第11版(ICD-11)が承認。2022年から日本では、神経発達症という名称に変更されました。
発達障害=脳機能障害という言葉により、あまりにも子育てに弊害があるというのが、名称変更の理由だそうです。
そりゃあ、そうですよね?
脳機能障害と診断されたことで、無理心中を図った母子のニュースは、多く知られていますし、私自身も脳機能障害(=発達障害)の我が子をどう育ててゆけばいいのか?と悩みましたから。
脳機能障害になった我が子。子育ての解決策を得られず、薬を処方する親御さんの多くは医師の言葉に忠実で真面目な方々です。でも、成長に合わせた課題はその都度出てくるはずです。それが自然の流れ。
ただ、親御さんの焦りと苦痛でいっぱいになった子育ての発想は削がれたままでした。
発達障害=脳機能障害は、心理的な負担が大きいのです。
これからは、神経発達症という捉え方で認識を変える
以前読んだ、花風社本の中でアスペルガーという名称が変更された時、「アスペルガーでも自閉スペクトラム症でも、名称はなんでもいい」というような文面が印象に残りました。
当時の私は、上手く自身に落とし込めなかったのですが、今はこう思います。名称ではなく、発達障害を脳機能障害ではなく脳のシナプスの遅れだと認識を変えれば良いだけだった…と。そう考えると、すごく理解が進みやすいんですよね?
医療側は当初から、発達障害の実態を捉えていなかっただけでは?と思えます。だから、診断と対症療法の薬物だけになっていたのではないでしょうか?2022年に「症」へ変更になってからは、ますます深まるばかり。
私は、発達障害を脳神経に着目したことで(花風社本から手掛かりを得て)、子育ての発想はつながり始めました。そして娘の感覚過敏については治ってきました。
これらの経験から、脳機能障害と捉えると我が子を育む発想を削ぐと思っています。
親の会では、2018年から神経発達障害(花風社推奨)という捉え方で、自閉スペクトラム症などの発達を促す活動を発達援助にシフトしました。
捉え方を変え、発達援助という視点を取り入れ始めたら、発達障害のある人の可能性や希望が見え始めたのです。
花風社から出版されている「発達障害は治りますか?/2010年」の中で、精神科医神田橋先生は、知的障害や発達障害を「脳のシナプスの発育の遅れ」といっています。
それを踏まえ、医療や公的機関が適切に子どもの神経発達症に関した情報提供を行い、発達を促す方法を取り入れてほしいと願っています。
現在、神田橋先生の捉え方を推奨している精神科医は増えています。
おススメ動画なおちゅん先生もそのお一人ですね。
また正式に漢方処方も入ってきたようです。これは良い。
変更のポイントには、伝統医学(主に中国・日本・韓国の漢方)の内容も入りました。
以前から発達障害症状に漢方が効果的と主張する医師の方も存在していましたので、今後は目にすることも増えるかもしれません。(漢方は副作用も少ないらしいので、安心感はありそうです。)
他には、ICD-11には睡眠障害やゲーム障害に関するカテゴリーが新設されました。
発達障害を抱える人の中には、睡眠障害を合併していることが知られていますし、ADHDの人は依存症になりやすい、という特徴ももってますので、今後の話題になっていくことが予想されます。
こども発達支援研究会
発達援助で生きやすくなる
栗本啓司さんの著書「人間脳の根っこを育てる」では、神経を育てるとはどういうことか?発達援助とはどういうものか?が書かれています。
これまで発達障害を脳機能障害と捉えていた時には得られなかった、ヒトの進化の過程を通じ、発達について理解ができ、我が子をどう育てるのか?の発想へもつながります。
お子さんの身体の不具合を取り除くことができる体験を知ると、ものすごくうれしく感動的です。
一人でも多くのご家庭で発達援助が広まり、生きやすい身体、やりたいことを諦めない身体になって、発達凸凹の人が生きやすくなってゆくことを願っています。
そして、子を育てるための発想を浮かべられるよう花風社本をお勧めしています。ぜひ。